提案書に「NETIS登録技術です」と書かれている。別の提案書には「点検支援技術性能カタログ掲載技術です」と書かれている。どちらも国の名前が付いていて、どちらも自社技術の裏付けとして提示されています。この2つは同じ意味なのか、どちらが強いのか。発注や協議の場でこれを判断する必要が出てきます。

結論から書くと、2つは目的が違う別の仕組みで、どちらも「国が使ってよいと認めた」という意味ではありません。NETISは自分のサイトで「証明、認証その他何ら技術の裏付けを行うものではな」いと書いており、性能カタログの側も第1章で「国が定めた標準項目は、法的に定めたものではない」と明言しています。

本記事では、この2つが何を保証していて何を保証していないのかを原文で確認したうえで、直轄国道で活用が原則化されている項目、そしてカタログに載っていない技術を使いたい場合の扱いまでを整理します。

この記事の要点
  • NETISは情報提供のシステム。利用上の注意事項に「証明、認証その他何ら技術の裏付けを行うものではな」いと明記されている
  • 性能カタログは機器を比較するための共通の物差し。第1章に「国が定めた標準項目は、法的に定めたものではない」とある
  • カタログの数値は「性能値」と「標準試験値」の2階建て。前者は開発者が独自に出した値で、この違いが読み分けの中心
  • 直轄国道では活用が原則化されている。橋梁・トンネルは令和4年度、舗装は令和5年度、道路巡視は令和7年度から
  • ただし原則化の対象はカタログ掲載技術に限らない。「効果的・効率的であることなどが確認できる技術であれば活用可能」と書かれている
  • 診断AIのような技術と、JISで試験方法が既に定められている技術はカタログの対象外。載っていないこと自体は評価ではない
  • 委託で使うときは「点検支援技術使用計画」を受注者が協議し、発注者が承諾する流れが平成31年2月のガイドラインで例示されている

2つは目的の違う別の仕組み

まず全体像を押さえます。NETIS(新技術情報提供システム)は、開発者からの申請に基づいて新技術の情報を集めて公開する仕組みです。分野は道路に限らず、土木・建築全般にわたります。対して点検支援技術性能カタログは、道路局が道路構造物の点検に使う技術に絞って、性能の表示項目を国が指定したうえでまとめたものです。

項目NETIS点検支援技術性能カタログ
主体国土交通省(新技術情報提供システム)国土交通省道路局
対象土木・建築の新技術全般道路構造物の点検・道路巡視の支援技術
情報の出どころ開発者の申請情報と、活用結果に基づく評価情報国が指定した標準項目に対して開発者が記載
掲載の意味参考情報。証明・認証ではない比較のための共通表示。法的な定めではない
読む場面そもそもどんな技術があるかを探すとき点検で使う機器を横並びで比べるとき

言い換えると、NETISは技術の「入口の名簿」、性能カタログは点検という目的に絞った「比較表」です。順番としてはNETISのほうが広く、性能カタログのほうが狭くて深いという関係になります。カタログそのものの構成と読み方は点検支援技術性能カタログとは?読み方と活用方法で扱っているので、本記事は2つの位置づけの違いに絞ります。

2つは片方がもう片方の前提になっているわけでもありません。カタログの掲載技術一覧(Excel)には「NETIS登録番号」という欄があり、番号が入っている技術もあれば、空欄の技術もあります。当編集部が橋梁のシートを開いて数えたところ、この欄が空欄の行のほうが多数でした。つまりNETISに登録していなくてもカタログには載りますし、逆にNETISにあるからといってカタログに載るわけでもありません。

NETISが自分で書いている「認証ではない」

NETISの検索画面に入るときには、利用上の注意事項に同意する画面が挟まります。ここに書かれている内容が、この仕組みの性格をそのまま説明しています。

「NETIS掲載情報は、当該技術に関する証明、認証その他何ら技術の裏付けを行うものではなく、新技術活用に当たっての参考情報といった性格のものであること。」

さらに、掲載情報のうち申請情報については次のようにも書かれています。

「特に、申請情報は、技術開発者からの申請に基づく情報であり、その内容について、国土交通省及び評価会議( 整備局等)が評価等を行っているものではないこと。」

つまりNETISの中身は申請情報と評価情報の2種類に分かれていて、申請情報のほうは国が中身を評価していないということです。「NETIS登録技術」という表示だけでは、どちらの情報を指しているのかが分かりません。提案を受ける側としては、登録番号から実際の掲載内容を引いて、評価情報が付いているのかどうかまで見る必要があります。

評価情報についても、注意事項は限定を付けています。

「評価情報は、当該技術の活用等を行った結果に基づき評価を行ったものであり、個々の現場の条件その他により評価は変わりうる等の性格を有するものであること。」

そして活用の判断についても、こう書かれています。

「新技術の活用は、現場毎の条件の適合性等による判断に応じて設計・工事担当部署がそれぞれ行うものであり、評価結果に基づき当該技術の活用等の実施が保証されるといった性格のものではないこと。」

出典:国土交通省 NETIS(新技術情報提供システム)「NETIS( 新技術情報提供システム) 利用上の注意事項」。NETISの検索画面に入る際に表示される同意画面の記述です。

性能カタログの標準項目は法的な定めではない

性能カタログの側も、同じことを別の言い方で書いています。カタログの冒頭に置かれている「第1章 性能カタログの活用にあたって」に、次の一文があります。

「性能カタログにおける国が定めた標準項目は、法的に定めたものではない。」

ではカタログは何のためにあるのか。第1章はその役割を、市場の整備という言葉で説明しています。

「現在のところ、点検支援技術については、それぞれの供給者がそれぞれで機器等としての仕様・能力の表示を行っているが、これを共通化し、市場を整備することが性能カタログの役割である。」

もともとの問題は、各社がばらばらの尺度で「精度0.1mm」「検出率95%」と書いていて、横に並べても比べられないことでした。カタログはそこに国が標準項目を指定して、同じ欄に同じ種類の情報が入るようにした仕組みです。比較可能性を作るための枠であって、合格・不合格を判定する制度ではありません。

誰が中身を作っているかも、表紙に書かれています。「本性能カタログは、国が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、開発者から提出されたものをカタログ形式でとりまとめたものです。」つまり枠は国、中身は開発者という分担です。第1章も「性能値他の具体の内容の記載は開発者の責任で行われる。」としています。

ただし、この点については文書間で書き方に幅があります。令和8年4月1日の報道発表資料は、同じカタログを「国が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、国管理施設等において技術を検証した結果をカタログ形式でとりまとめたものです。」と説明しています。表紙は「開発者から提出されたもの」、報道発表は「国管理施設等において技術を検証した結果」で、検証の関与の度合いの表現が一致していません。どちらが正確かを一本化した記述は確認できなかったため、検証済みの認証であるかのように読むことは避けたほうが安全です

適用の範囲についても、第1章は「参考とすることができる」という書き方をしています。

「本性能カタログは、知識と技能を有する者(以下「定期点検を行う者」という。)が定期点検を行う際に点検支援技術の利用を検討するにあたって、機器等の特性を比較整理するにあたって参考とすることができる。」

そのうえで責任の所在が明記されています。

「自由に、しかし、点検支援技術の誤差特性や原理上の適用限界等を把握したうえで、出荷物としての機器等が保証する性能の範囲で活用すること、また、定期点検を行う者が結果の解釈や利用に責任を持つことになる。」

この一文は実務上かなり重い意味を持ちます。カタログに載っている技術を使って誤った状態把握をした場合でも、責任はカタログではなく定期点検を行う者に残ります。近接目視によらない方法を選ぶこと自体は要領が認めていますが(近接目視とは何か)、選んだ以上は結果の解釈まで引き受ける、という構造です。

性能値と標準試験値。数字の出どころが違う

カタログを実際に読むとき、いちばん取り違えやすいのがこの2つの用語です。第1章の用語の定義では、次のように分けられています。

用語定義(原文)読み方
性能値「各カタログにおける標準項目に対する性能について、開発者が想定した条件下で独自に算出した理論値又は実施した試験値を表示したもの」開発者が自分の条件で出した値。他社と条件が違う可能性がある
標準試験値「性能値に対して、限定的な実施条件で再現性のある試験を実施し、その結果を共通の条件及び整理方法のもとで比較可能な試験値を表示したもの」共通条件で測った値。他社と横並びで比べられる

ここで注意が要るのは、すべての技術に標準試験値が付いているわけではないことです。第1章はこう書いています。

「しかし、標準試験として共通の供試体等を使った試験方法が確立されていない場合又は、供試体の作成が困難である場合は、各開発者が独自に実施した理論値や試験値は、性能値として記載し、標準試験は未実施と整理する。」

つまりカタログの中には「標準試験は未実施」の技術が混じっています。性能値だけを見て2社を比べると、片方は共通条件、もう片方は自社に有利な条件という組み合わせになりかねません。AIひび割れ検出ツールの選び方で扱ったような検出精度の比較では、まずこの欄がどちらなのかを確認するところから始めるのが実務的です。

試験結果そのものは「付録2 技術の性能確認シート」に、試験方法は「付録3 標準試験方法」に様式を統一して収録されています。カタログ本体の一覧表だけでなく、この2つまで開いて初めて数字の出どころが分かる、という構成です。AIひび割れ検出の精度はどこまで信用できるかで触れた「条件つきの精度」という考え方は、この仕組みの上に成り立っています。

カタログに載らない技術がある

もうひとつ見落とされやすいのが、カタログには構造上載らない技術がある、という点です。第1章は対象外を明示しています。

「技術者の技量や経験による主観的な判断に基づく診断を自動化する診断AI のような技術又は、定量的な評価が難しく標準試験を定めることが難しい技術は、性能カタログの対象にしていない。また、JIS 規格等で試験方法がすでに定められている技術も性能カタログの対象にしていない。」

理由も同じ段落に書かれています。カタログが扱う項目は「客観性、定量性、再現性の観点で選んでいる」ためで、質的な判断を含むものは共通の物差しを作れないからです。

したがって「性能カタログに載っていない」という事実は、その技術が劣っていることを意味しません。対象外のカテゴリだから載っていない、という場合があるということです。逆に言えば、診断の自動化をうたう技術については、カタログという共通の物差しが最初から存在しないので、発注者側が自分で評価軸を作る必要があります。

なお、利用レポートや現場での成果といった情報も、カタログの対象外とされています。「これらについては、標準化、共通化するようなものではなく、性能カタログでは対象にしていない。」とあり、実績の情報はカタログの外で集めることになります。掲載技術については開発者が「技術マニュアル」を作成しているとされているので、詳細はそちらに問い合わせる建て方です。

直轄国道では活用が原則化されている

ここまでは「強制ではない」という話が続きましたが、直轄国道に限っては話が変わります。国土交通省道路局は、直轄国道の定期点検業務と道路巡視の一部項目について、点検支援技術の活用を原則化しています。

原則化の開始年度は分野ごとに違います。令和8年4月1日の報道発表資料には、次のように書かれています。

「直轄国道の点検においては、令和4年度より橋梁・トンネル、令和5年度より舗装、令和7年度より道路巡視の特定の項目について点検支援技術の活用を原則化しています。」

原則化されている具体的な項目は、道路局のページに列挙されています。橋梁点検業務では次の6項目です。

分野原則化されている項目
橋梁点検業務人による外観性状の記録が困難な場所での写真撮影・記録(水中部や桁端部等の狭隘箇所など)
点検支援技術を用いた3次元写真記録
機器等による損傷図作成(コンクリート箱桁の外面・内面、コンクリート系床版、コンクリート橋脚・橋台)
水中部の河床、基礎、護床工等の位置計測
斜面上に築造された下部構造本体及び斜面の点群データ取得(形状把握)
コンクリート構造の鋼材位置の塩化物イオン量計測等(塩害の影響地域に位置する橋梁)
トンネル点検業務覆工等の変状(ひび割れ等)を画像計測技術等で計測・記録
うき、はく離等の位置や規模を計測・記録(画像計測以外の技術)
舗装点検業務舗装の変状(ひび割れ、わだち 等)を画像等で計測・判定
維持工事(道路巡回工)ポットホールの特定/区画線の摩耗の判定

橋梁の3次元写真記録と損傷図作成には、それぞれ参考資料が用意されています。3次元写真記録は「オルソモザイク画像の生成と保存に関する参考資料(案)」、損傷図は「機器等によるひびわれ図の生成に関する参考資料(案)」に基づいて記録することとされています。損傷図の様式そのものについては損傷図(様式その5)の書き方で扱っています。

掲載技術数も公表されています。令和8年4月1日現在で合計407技術、うち同日の追加が54技術です。内訳は橋梁・トンネル・土工が画像計測141・非破壊検査75・計測・モニタリング99・データ収集・通信5、舗装(ひび割れ率・わだち掘れ量・IRI)が55、道路巡視(ポットホール・区画線の摩耗・建築限界の超過・標識隠れ)が32となっています。

カタログ自体も分野ごとに分冊化が進んでいて、橋梁・トンネル、舗装・道路巡視、土工の3つに分かれています。舗装点検要領道路土工構造物点検要領の側から入る場合は、橋梁・トンネルのカタログとは別のファイルを見ることになります。

版の表記には注意が要ります。橋梁・トンネル版は、掲載ページの見出しが「点検支援技術性能カタログ(橋梁・トンネル) 令和8年3月」となっている一方、PDF本体の表紙は「令和8年5月」、掲載技術一覧のExcelも令和8年5月の表記です。引用するときは、ページの見出しではなくPDFの表紙の年月を書くほうが確実です。

カタログ外の技術を使うときの扱い

原則化と聞くと「カタログに載っている技術しか使えない」と読みたくなりますが、そうではありません。カタログ自身が冒頭の「はじめに」で、掲載外の技術の扱いを書いています。

「定期点検で点検支援技術の活用を検討する場合、本性能カタログに掲載された技術を参考にすることが考えられるが、本性能カタログに記載のない技術についても、標準項目の性能値を受注者に求め、目的に適合するかを確認することで活用できるものと考えられる。」

ここで求められているのは「標準項目の性能値を受注者に求め」ることです。カタログという冊子に載っているかどうかではなく、カタログと同じ項目の情報が出てくるかどうかが判断の材料になります。掲載外の技術を検討するときは、カタログの標準項目の一覧をそのまま質問票として使う、という進め方ができます。

直轄の原則化のページにも、同じ趣旨の但し書きがあります。

「対象とする点検支援技術は「点検支援技術性能カタログ(国土交通省)」に掲載されている技術としています。なお、点検支援技術性能カタログに掲載されている技術よりも、効果的・効率的であることなどが確認できる技術であれば活用可能としています。」

つまりカタログはあくまで基準点であって、上限ではありません。カタログ外の技術を使う道は開いていて、必要になるのは「効果的・効率的であることなどが確認できる」という説明です。ここでいう確認をどう示すかは書かれていないので、実際には発注者との協議で個別に詰めることになります。

逆方向の但し書きもあります。報道発表資料の注記に「点検支援技術活用による効率化や業務品質確保が図られない場合などは対象外」とあり、原則化された項目であっても、効率化や品質確保につながらない条件では対象から外れます。橋の規模や現場条件によっては、機器を持ち込むほうが手間になる場合があるということです。費用面の考え方は新技術を使うと点検費用は下がるのかで整理しています。

自治体の場合は、そもそも原則化の対象ではありません。直轄の取組は、道路局のページによれば「地方公共団体など他の道路管理者における新技術活用を促すとともに、民間企業の技術開発の促進を期待しています。」という位置づけです。義務ではなく、参照先として使えるものと理解するのが実態に近いと考えられます。国の要領と自治体マニュアルの関係は国の要領と自治体マニュアルの関係にまとめています。

協議・承諾という手順が残る

最後に、実務でいちばん効いてくる一文を確認します。第1章は、機器の選択の自由と、手続としての協議・承諾を並べて書いています。

「すなわち、機器等の利用、及び、機器等の選択は自由に行える一方で、道路管理者の職員が現地で定期点検を実施する場合も、また、委託をする場合でも、点検対象構造物ごとに、その利用や選択は協議・承諾を経ることになる。」

ポイントは「点検対象構造物ごとに」です。会社単位でも契約単位でもなく、橋1つごとに合意する建て方になっています。同じ発注の中でも、この橋では画像計測を使い、あの橋では足場を組む、という判断が分かれてよい、ということでもあります。

その協議をどう進めるかは、別の文書に例示があります。「新技術利用のガイドライン(案)」(平成31年2月・国土交通省)です。目的はこう書かれています。

「本ガイドラインは、業務委託等により定期点検を実施する際に点検支援技術を活用する場合において、発注者及び受注者双方が使用する技術について確認するプロセスや、受注者から協議する「点検支援技術使用計画」を発注者が承諾する際の確認すべき留意点等を参考として示したものである。」

位置づけは強制ではなく、「道路管理者の判断により業務委託の特記仕様書に参考図書として位置付けることで、活用されることを想定しているものである。」とされています。特記仕様書に入れるかどうかが発注者側の一手になります。

受注者が出す「点検支援技術使用計画」に書くことが望ましいとされているのは、次の6項目です。

項目書く内容
1) 対象部位・部材及び対象変状技術で把握しようとする部位・部材と変状の種類
2) 対象範囲構造物のどの範囲に使うか。必要なら図面や3次元CADで描画
3) 活用目的変状の把握/記録の作成/診断に有用な追加情報の取得など
4) 活用の程度技術のみで目的を達するのか、近接目視と併用するのか
5) 使用機器と選定理由現場条件と性能値を勘案した選定理由
6) 精度管理計画現場での精度検証が必要なものは、その方法と頻度

この6項目のうち、協議で最も揉めやすいのが4)の活用の程度です。「近接目視の代わりに使う」のか「近接目視に足して使う」のかで、点検の成立の仕方がまったく変わります。ドローンを例にした整理はドローン点検は近接目視の代わりになるかにまとめています。ガイドラインには使用後に出す「点検支援技術使用結果報告」も併せて示されています。

また、近接目視によらない方法で状態を把握した箇所は、記録の側でも扱いが決まっています。点検記録様式(その7)には、使った方法だけでなく、機器等の性能や誤差程度、使用条件、そして実際に使用したときの条件やキャリブレーションのための試験結果まで書くことが求められます。詳しくは点検記録様式(その7)とは?見えなかった箇所の記録を参照してください。カタログの数値を転記するだけでは足りず、当日の条件を現場で控えておく必要があるという点が、計画段階での準備に効いてきます。

ここまでを実務の順番に並べると、次のようになります。

段階やること見る先
1. 探すどんな技術があるかを把握するNETIS、性能カタログの一覧
2. 比べる性能値か標準試験値かを確認して横並びにする性能カタログ本体、付録2の性能確認シート
3. 適合を見る現場の条件(狭さ、電源、規制)で使えるかを確認基本諸元、適用条件、調達・契約にあたっての事項
4. 合意する点検対象構造物ごとに利用と選択を協議・承諾発注者との協議記録
5. 記録する使った方法・性能・当日の条件を残す点検記録様式(その7)

1から3までがカタログとNETISの守備範囲で、4と5は要領と発注の世界です。提案書に書かれた「NETIS登録」「カタログ掲載」は、この表でいえば1と2の話にとどまります。導入までの手続き全体は新技術を点検に導入する手順点検技術の稟議の通し方にまとめています。

補足:性能カタログの「第1章 性能カタログの活用にあたって」の本文が引用している要領は、平成31年2月の道路橋定期点検要領です。令和6年3月改定版を使っている場合は、対応する条項を自分で読み替える必要があります。出典:国土交通省「点検支援技術性能カタログ(橋梁・トンネル)」(表紙の表記は令和8年5月)、同「直轄点検における点検支援技術活用原則化の取組」、同「点検支援技術性能カタログを拡充」(令和8年4月1日 報道発表)、NETIS 利用上の注意事項、「新技術利用のガイドライン(案)」(平成31年2月)。掲載技術数や原則化の項目は更新されるため、実務では必ず最新の原典をご確認ください。

よくある質問

NETISに登録されている技術なら、点検に使ってよいのですか?

登録の有無は使用の可否を決めません。NETISの利用上の注意事項は「NETIS掲載情報は、当該技術に関する証明、認証その他何ら技術の裏付けを行うものではなく、新技術活用に当たっての参考情報といった性格のものであること。」としています。使えるかどうかは、点検対象構造物ごとの協議・承諾で決まります。

性能カタログに載っていない技術は使えないのですか?

使えます。道路局は原則化の対象について「点検支援技術性能カタログに掲載されている技術よりも、効果的・効率的であることなどが確認できる技術であれば活用可能としています。」と書いています。また、診断AIのように定量的な評価が難しい技術やJISで試験方法が定められている技術は、そもそもカタログの対象外とされています。

性能値と標準試験値のどちらを見ればよいですか?

他社と比べる目的なら標準試験値です。性能値は「開発者が想定した条件下で独自に算出した理論値又は実施した試験値」で、条件が各社ばらばらの可能性があります。標準試験が未実施の技術もあるので、比較表を作る前にどちらの値かを確認してください。

自治体の橋でも点検支援技術の活用は義務ですか?

義務ではありません。原則化は直轄国道の定期点検業務と道路巡視について行われているもので、道路局のページはこの取組が地方公共団体など他の道路管理者における新技術活用を促すことを期待している、という書き方をしています。

原則化された項目は必ず機器を使わなければいけませんか?

例外があります。令和8年4月1日の報道発表資料の注記に「点検支援技術活用による効率化や業務品質確保が図られない場合などは対象外」とあります。効率化にも品質確保にもつながらない条件では、原則化の対象から外れる建て方です。

性能カタログに載っている技術を使えば、点検の結果の責任は軽くなりますか?

軽くなりません。第1章は「定期点検を行う者が結果の解釈や利用に責任を持つことになる。」としています。カタログは機器の性能表示を共通化したもので、点検結果を保証する仕組みではありません。

カタログの掲載技術はどのくらいの数がありますか?

令和8年4月1日現在で合計407技術です。内訳は橋梁・トンネル・土工が画像計測141・非破壊検査75・計測・モニタリング99・データ収集・通信5、舗装が55、道路巡視が32です。同日に54技術が追加されており、公募を通じて継続的に増えています。