損傷程度の評価表を開くと、支承部の機能障害だけ様子が違うことに気づきます。aとeしか埋まっていない。b・c・dはすべて「-」です。ひび割れなら幅で段階が分かれるのに、支承だけは「損傷なし」か「機能が損なわれている」かの二択になっています。

これは表の作りかけではありません。支承部という部位の性格が、そのまま評価の設計に出ているのです。この記事では、要領の原文をもとに、①支承部はどの構造区分に属するのか ②支承部の範囲はどこまでか ③なぜ評価がaとeだけなのか ④損傷パターンの9区分 ⑤点検が難しい理由 ⑥異常が橋全体に及ぼす影響、を整理します。損傷の分類全体は損傷26種類一覧、評価の枠組みは損傷程度の評価(a〜e)にまとめています。

この記事の要点
  • 支承部は上下部接続部を担う部位。令和6年3月の要領は上部構造・下部構造・上下部接続部の3区分で状態を捉えるよう求めている
  • ⑯支承部の機能障害の損傷程度の評価はaとeの2区分のみ。b・c・dは設定されていない
  • その代わりに損傷パターン9区分を記録する。同一要素に複数該当する場合は全てのパターン番号を記録する
  • 支承部の範囲は道路橋示方書の定義に従い、支承本体・アンカーボルト・沓座モルタル・台座コンクリート等に区分される。ソールプレートは「主桁」、制震ダンパー等は「落橋防止システム」で扱う
  • 点検が難しい理由は原文にある。狭隘・カバーや沓隠しで視認困難・土砂の堆積・点検時期による見え方の変化
  • 支承の異常は支承だけで終わらない。原文は主桁の亀裂・座屈、路面段差、桁の脱落、落橋への波及を繰り返し警告している
  • 令和6年度道路メンテナンス年報の判定区分Ⅳリストにも、「支承の沓座面の損傷による落橋の危険性」で全面通行止めとなった実例が載っている

支承部は「上下部接続部」

最初に、どの文書を読むかを整理しておきます。橋の点検には版の違う要領が並存しているためです。

文書発行誰のためのものか支承の扱い
道路橋定期点検要領(技術的助言)令和6年3月すべての道路管理者「支承」の語は出てこない。上下部接続部として扱う
同(技術的助言の解説・運用標準)令和6年3月同上上下部接続部を担う部材として支承部を例示
橋梁定期点検要領令和6年7月国土交通省 道路局 国道・技術課(国管理施設向け損傷26種類・損傷程度の評価はこちら

市区町村がまず従うのは上の2冊です。ただし損傷の種類と損傷程度の評価の細目を定めているのは3冊目で、多くの自治体マニュアルもこれを参照しています。両者の関係は国交省要領と都道府県の点検マニュアルの関係で整理しています。

令和6年3月の技術的助言は、健全性の診断についてこう定めています。

健全性の診断の区分の決定(技術的助言・原文)
「定期点検では、施設単位毎に健全性の診断の区分を決定するものとする。このとき、「橋、高架の道路等の技術基準(道路橋示方書 H29 年)」に規定する、上部構造、下部構造及び上下部接続部のそれぞれについて、想定する状況に対してどのような状態となる可能性があると推定されるかを検討した結果も考慮することが望ましい。」

この「上下部接続部」を実際に担っているのが支承部です。解説・運用標準版は、機能の面からこう説明しています。

上下部接続部の機能(解説・運用標準版・原文)
「ⅳ.上部構造からの荷重を支持し、下部構造へ伝達する機能
 例えば、支承部や、上部構造と下部構造が剛結される場合の剛結部が担う場合が多い
ⅴ.上部構造と下部構造が機能を発揮する前提として、必要な幾何学的境界条件を付与する機能
 ⅳと同様の部位、部材が担う場合が多い。」

ここで注目したいのはⅴの「幾何学的境界条件を付与する機能」です。支承は荷重を伝えるだけでなく、桁がどう動いてよいかを決めている部位でもあります。可動支承が動かなくなれば、設計が前提としていた境界条件が変わります。この効きかたが、あとで見る主桁の疲労亀裂につながります。

解説・運用標準版は、致命的な状態の例示にも支承を挙げています。「例えば、落橋までには至らないまでも、支点部で支承や主桁に深刻な変状が生じて通行不能とせざるを得ないような状態、あるいは下部構造の破壊や不安定化などによって上部構造を安全に支持できていない状態なども考えられる。」——判定区分の考え方は健全性の診断(判定区分Ⅰ〜Ⅳ)、通行止めに至る条件は健全性Ⅳの橋はなぜ通行止めになるのかで扱っています。

支承部の範囲はどこまでか

調書に記入するとき、最初に迷うのが範囲です。ソールプレートは支承か、主桁か。ダンパーはどこに書くのか。ここは要領が明確に定めています。

支承部の定義と区分(橋梁定期点検要領 令和6年7月・原文)
「なお,支承部とは,道路橋示方書では,「上部構造と下部構造との間に設置される支承本体,アンカーボルト及びセットボルト等の上下部構造との取付部材,沓座モルタル,アンカーバー等,支承の性能を確保するための部分をいう」とされている。この要領では,表-4.1.1に示す部材に区分しており,明記していないセットボルトについては「支承本体」に,アンカーバーについては「その他」に区分する。」

続きに、実務で最も間違えやすい2点が書かれています。

取付部材と制震ダンパーの区分(同・原文)
「取付用鋼板のうち,ベースプレートについては「支承本体」に,ソールプレートについては主桁に溶接されることが多いことから「主桁」に区分されたい。また,制震ダンパー等は,「落橋防止システム」で扱うものとする。主桁のゲルバー部に位置する支承については,「支承」で扱うものとする。」

整理すると次のとおりです。

部材記録する区分
支承本体、セットボルト、ベースプレート支承部/支承本体
アンカーボルト支承部/アンカーボルト
沓座モルタル支承部/沓座モルタル
台座コンクリート支承部/台座コンクリート
アンカーバー支承部/その他
ソールプレート主桁(支承部ではない)
制震ダンパー等落橋防止システム(支承部ではない)
ゲルバー部に位置する支承支承(部材としては支承で扱う)

ソールプレートを支承部に入れてしまうと、次回点検で前回記録と突き合わせたときに部材が対応しません。記録の連続性は、部材区分の一致が前提です。調書の作り方は橋梁点検調書の構成と書き方をご覧ください。

評価がaとeしかない理由

本題です。⑯支承部の機能障害の損傷程度の評価は、次のとおり定められています。

⑯支承部の機能障害 損傷程度の評価区分(原文)
「a 損傷なし
b -
c -
d -
e 支承部の機能が損なわれているか,著しく阻害されている可能性のある損傷が生じている。

その理由は、この損傷の定義そのものにあります。

一般的性状・損傷の特徴(原文)
「当該支承の有すべき荷重支持や変位追随などの一部又は全ての機能が損なわれている状態をいう。
なお,支承ローラーの脱落も対象とする。」

つまり⑯は「機能が損なわれているか否か」を記録する項目であって、ひび割れ幅のような外観の量を測る項目ではありません。機能は「半分だけ果たしている」という記述になじまないため、中間の区分が置かれていないのです。

ここは損傷程度の評価(a〜e)の考え方とあわせて理解する必要があります。要領は損傷程度の評価の性格をこう説明しています。

損傷程度の評価の性格(原文・解説)
「損傷程度の評価には,措置の必要性や部材の性能に関する工学的な見立てを入れず,観察事実を,数値区分や参考写真に適合する区分へあてはめることが求められる。」
「このように,損傷程度の評価は,部材の性能や措置の必要性の見立てに直接関係づけるものではない。」

eを付けることは「危険だと判断した」ことではありません。「機能が損なわれている可能性のある損傷が見えた」という観察事実の記録です。措置の必要性は別途、対策区分性能の見立ての側で判断します。ここを混同すると、eを付けることをためらって観察事実がゆがみます。

もう1点、記録の重複について明記があります。

他の損傷との関係(原文)
「・支承アンカーボルトの損傷(腐食,破断,ゆるみなど)や沓座モルタルの損傷(ひびわれ,剥離,欠損など)など支承部を構成する各部材の損傷については,別途それぞれの項目でも扱う
・支承部の土砂堆積は,原則,「土砂詰まり」として扱うものの,本損傷に該当する場合は,本損傷でも扱う。なお,支承部の損傷状況を把握するため,堆積している土砂は損傷程度を評価するにあたって取り除くことが望ましい。」

アンカーボルトが腐食していれば、①腐食としても、⑯支承部の機能障害としても記録します。片方だけ書いて済ませないのが要領の求める記録です。

損傷パターンの9区分

aとeしかない代わりに、⑯には損傷パターンの区分が用意されています。

損傷パターンの区分(原文)
「損傷パターンを次表によって区分し,対応するパターン番号を記録する。同一要素に複数の損傷パターンがある場合は,全てのパターン番号を記録する。
パターン損傷(原文)着眼
沓座モルタル又は台座コンクリートの欠落支承を支える側が失われている
著しい腐食狭隘・高湿度で進みやすい
支承ローラーの脱落荷重支持機能の喪失。路面段差・桁の脱落に直結
ゴム支承の破損・断裂・異常な変形地震後の残留変形を含む
アンカーボルト又はセットボルトの緩み又は破断塗装で固着し外観では分からないことがある
傾斜,ずれ,離れ下部工の沈下・移動・傾斜の徴候でもある
大量の土砂堆積可動を妨げる。評価前に取り除くのが望ましい
ダンパー機能の喪失ダンパー本体の部材区分は落橋防止システム
その他上記で表しきれないもの

この9区分は、あとから読む人にとって実質的な情報量になります。eという1文字だけでは何が起きているか分かりませんが、「e・パターン3と6」と書かれていれば、ローラーが脱落して傾いていると伝わります。複数該当を全部書くというルールがあるのはこのためです。

支承部に付く損傷種類は1つではない

「支承=⑯」で終わりではありません。要領の表-4.1.1は、支承部の各部材にかなりの数の損傷種類を割り当てています。

部材材料対象とする損傷の種類
支承本体①腐食 ②亀裂 ③ゆるみ・脱落 ④破断 ⑤防食機能の劣化 ⑬遊間の異常 ⑯支承部の機能障害 ⑳漏水・滞水 ㉑異常な音・振動 ㉓変形・欠損 ㉔土砂詰り ㉕沈下・移動・傾斜
その他④破断 ⑬遊間の異常 ⑯支承部の機能障害 ⑲変色・劣化 ⑳漏水・滞水 ㉑異常な音・振動 ㉓変形・欠損 ㉔土砂詰まり
アンカーボルト①腐食 ②亀裂 ③ゆるみ・脱落 ④破断 ⑤防食機能の劣化 ⑯支承部の機能障害 ㉓変形・欠損
沓座モルタル/台座コンクリートコンクリート⑥ひびわれ ⑦剥離・鉄筋露出 ⑫うき ⑯支承部の機能障害 ⑳漏水・滞水 ㉓変形・欠損

「その他」の材料区分にゴム支承が入ります。ゴムには腐食も亀裂(鋼部材の②)もないため、⑲変色・劣化㉓変形・欠損で状態を記録することになります。鋼製支承の感覚でゴム支承の記録項目を探すと見つからないのはこのためです。

もう1つ、支承部と密接なのが⑬遊間の異常です。要領の定義はこうです。

⑬遊間の異常(原文・一般的性状)
「桁同士の間隔に異常が生じている状態をいう。桁と桁,桁と橋台の遊間が異常に広いか,遊間がなく接触しているなどで確認できる他,支承の異常な変形,伸縮装置やパラペットの損傷などで確認できる場合がある。」

遊間の異常は、支承の変形から先に見えることがあるという意味です。逆に、遊間が動いていれば支承が原因とは限りません。要領の損傷事例はこう注意しています。「支承および桁端部に遊間の異常が認められる場合、支承の機能の低下だけではなく、下部工の沈下・移動・傾斜などその他の損傷が生じている可能性がある。」——支承は下部構造の異常を映す鏡でもあるということです。

点検が難しい理由

支承部が難所であることは、要領自身が繰り返し書いています。理由は4つに整理できます。

難しさ原文
狭くて環境が悪い「狭隘な空間となりやすく,高湿度や塵埃の堆積など腐食環境が厳しい場合が多く,局部腐食や異常腐食も進行しやすい。」
覆いで見えない「支承部に防塵防錆等のカバーや沓隠しがある場合,支承の状態の視認が難しいこともある。(中略)またこれらの覆い等によって支承本体が腐食しやすい環境となっていることもあり注意が必要である。」
見える範囲が限られる「なお狭隘な支承部では外観できる部位が限られるため,視認困難な部位での変状が発生している可能性を疑うべき徴候などが見られないかどうかについて注意が必要である。」
外観で分からない損傷がある「支承の取り付けボルトが破断していると,地震などの大きな外力に対して所要の機能が満足できない可能性が高い。なおボルトが破断していても塗装で固着されていたり外観だけからは判断出来ないこともあることに注意が必要である。」

加えて、支承特有の落とし穴があります。点検した時期によって、異常が現れていないことがあるという点です。支承は温度で位置が変わるためです。可動支承の位置が「正常に見えた」からといって、可動機能が生きている証明にはなりません。伸縮装置の状態とあわせて読むのが定石です。

桁下が低い橋では、そもそも近接できないこともあります。要領は点検計画の段階で「狭隘部,水中部,地中部など,部材等への近接が困難な箇所の整理」を求めており、近接できない前提で計画を立てることが織り込まれています。近接目視の位置づけは近接目視とはで扱っています。

点検支援技術の使いどころもここにあります。狭隘部の記録は、撮った写真の枚数が増えるほど整理が追いつかなくなる領域です。損傷写真台帳の作り方点検支援技術の選び方 完全ガイドもあわせてご確認ください。ただし、機器で撮れば近接目視が省略できるわけではない点は、同じ令和8年3月に改定された石造アーチ橋の参考資料でも念を押されています。

異常は支承だけで終わらない

支承部を軽く見てはいけない理由が、要領の損傷事例の備考欄に集中的に書かれています。波及の型は3つです。

主桁が壊れる

「支承部に著しい腐食が生じている場合、地震等の作用時に適切に支承としての機能が発揮出来ないだけでなく、主桁に想定外の亀裂や座屈を生じる可能性もある。特に腐食による断面減少や表面の凹凸の発生による応力集中により主桁に亀裂が発生進展することもある。」

動かないことで疲労する

「支承ローラーの脱落など、荷重支持機能や変位追随機能が失われると(中略)また活荷重や温度に対して適切に可動しない状態が継続すると、主桁に疲労亀裂を生じるなどの悪影響が生じることもある。」

そして最も重い記述が、支点部の崩壊です。

支点部の破壊(原文)
「支承直上の主桁部材で局部腐食が進行すると,主桁ウエブが座屈したり亀裂が発生して主桁支点部が崩壊する可能性がある。支点部での主桁破壊は,大きな路面段差の発生や主桁機能の喪失による落橋の危険性もある。段差防止や移動制限の機能の有無や状態にも注意が必要である。」

さらに、支承部の損傷が橋全体の耐荷性能に効くことも明記されています。「可動支承の可動機構やローラ支承のストッパーなど可動機構に関わる部品や部分に腐食が生じている場合、地震等の作用時に所定の機能が発揮されず、支承が破壊するのみならず橋全体として所要の耐荷性能が発揮されない危険性もあることに注意が必要である。」

ここで効いてくるのが、冒頭で見た「活荷重に対しては問題なく見える」という点です。要領はこう書いています。「支承本体や取り付け部に顕著な損傷があると、活荷重に対して所要の機能が確保できたとしても、大規模な地震の作用などに対して所要の機能が確保されず、致命的な状態となる可能性がある。」——いま普通に車が通れていることは、支承が健全である根拠にならないということです。

実際、令和6年度道路メンテナンス年報(国土交通省 道路局・2025年8月公表)の判定区分Ⅳの施設リストには、支承を原因とする通行止めが記載されています。北海道稚内市の港跨線橋(市道港3条通・1964年建設)は、2021年度点検で「支承の沓座面の損傷による落橋の危険性」とされ、緊急措置は全面通行止め、2025年3月末時点で修繕中です。同じリストには函館市のとどめき橋(1970年建設)が「下部ひびわれ、支承破断など」で全面通行止め、日浦川歩道橋(1985年建設)が「主桁、支承等の腐食など」で全面通行止めとして載っています。年報の読み方は道路メンテナンス年報とはで解説しています。

よくある質問

Q. 支承部の機能障害の損傷程度に、なぜb・c・dがないのですか。
A. この項目が外観の量ではなく機能の有無を記録するものだからです。要領は⑯を「当該支承の有すべき荷重支持や変位追随などの一部又は全ての機能が損なわれている状態」と定義しており、評価区分はa(損傷なし)とe(支承部の機能が損なわれているか,著しく阻害されている可能性のある損傷が生じている)の2つだけが設定されています。中間の状態は、損傷パターンの9区分と、腐食・破断など個別の損傷種類の評価で表します。

Q. ソールプレートは支承部として記録するのですか。
A. しません。要領は「取付用鋼板のうち,ベースプレートについては「支承本体」に,ソールプレートについては主桁に溶接されることが多いことから「主桁」に区分されたい。」と定めています。制震ダンパー等も支承部ではなく「落橋防止システム」で扱います。セットボルトは「支承本体」、アンカーバーは「その他」です。

Q. アンカーボルトが腐食していたら、①腐食と⑯支承部の機能障害のどちらで書きますか。
A. 両方です。要領は「支承アンカーボルトの損傷(腐食,破断,ゆるみなど)や沓座モルタルの損傷(ひびわれ,剥離,欠損など)など支承部を構成する各部材の損傷については,別途それぞれの項目でも扱う。」としています。支承部の土砂堆積も、原則は「土砂詰まり」ですが、機能障害に該当する場合は⑯でも扱います。

Q. 損傷パターンは1つだけ選ぶのですか。
A. 該当するものを全部記録します。要領は「同一要素に複数の損傷パターンがある場合は,全てのパターン番号を記録する。」と定めています。パターンは、1 沓座モルタル又は台座コンクリートの欠落、2 著しい腐食、3 支承ローラーの脱落、4 ゴム支承の破損・断裂・異常な変形、5 アンカーボルト又はセットボルトの緩み又は破断、6 傾斜・ずれ・離れ、7 大量の土砂堆積、8 ダンパー機能の喪失、9 その他の9区分です。

Q. 支承部に土砂が溜まっていて中が見えません。どうすればよいですか。
A. 取り除いてから評価するのが望ましいとされています。要領は「支承部の損傷状況を把握するため,堆積している土砂は損傷程度を評価するにあたって取り除くことが望ましい。」としています。取り除けない場合は、視認できた範囲と見えなかった範囲を記録に残してください。狭隘な支承部については「外観できる部位が限られるため,視認困難な部位での変状が発生している可能性を疑うべき徴候などが見られないかどうかについて注意が必要である」とも書かれています。

Q. 支承が動いていないように見えますが、車は問題なく通れています。急がなくてよいですか。
A. 通行できていることは健全性の根拠になりません。要領は「支承本体や取り付け部に顕著な損傷があると,活荷重に対して所要の機能が確保できたとしても,大規模な地震の作用などに対して所要の機能が確保されず,致命的な状態となる可能性がある。」としています。また、可動しない状態が続くと主桁に疲労亀裂を生じるなどの悪影響が生じることもあると記載されています。なお、支承の移動状態は温度などの条件で変化するため、点検時期によっては異常が現れていない場合がある点にも注意が必要です。

Q. 支承の異常で通行止めになった実例はありますか。
A. あります。令和6年度道路メンテナンス年報(国土交通省 道路局・2025年8月公表)の判定区分Ⅳの施設リストには、北海道稚内市の港跨線橋(市道港3条通・1964年建設)が2021年度点検で「支承の沓座面の損傷による落橋の危険性」とされ、全面通行止めのうえ2025年3月末時点で修繕中と記載されています。同リストには函館市のとどめき橋が「下部ひびわれ、支承破断など」、日浦川歩道橋が「主桁、支承等の腐食など」でいずれも全面通行止めとなった例も載っています。