桁端部が濡れている。排水桝に落ち葉と土が溜まっている。支承の周りに土が積もって、支承本体が半分見えない。点検の現場では見慣れた光景で、それ自体は「壊れている」ようには見えません。しかし要領は、この2つに⑳漏水・滞水と㉔土砂詰まりという損傷種類を与えています。

この2つが扱いにくいのは、程度を表す目盛りが用意されていないことと、1つの現象が複数の損傷種類に分解されることの2点です。とくに「排水管の損傷は⑳では扱わない」という一文は、現場の見え方と調書の書き方をはっきり食い違わせます。この記事では「橋梁定期点検要領」(平成31年3月)の付録-1・付録-2の原文で、⑳と㉔の定義・除外規定・評価区分・対策区分の分かれ方を確認し、記録と点検計画への落とし方までを整理します。

この記事の要点
  • ⑳・㉔とも評価はaとeの2区分だけ。b・c・dは「-」で、程度は損傷図と写真の側に残る
  • 排水管そのものの損傷は⑳の対象外。④破断・㉓変形・欠損・③ゆるみ脱落・①腐食としてそれぞれ扱う
  • 大雨時の一時的な滞水は、構造物に支障を生じないことが明らかなら損傷として扱わない
  • ㉔には「支承部周辺の土砂は定期点検時に取り除くことが望ましい」という留意点がある
  • 対策区分の例文は規模で分かれる(排水桝のみならM/排水管の全長ならB・C)

⑳漏水・滞水の定義と、損傷として扱わない例外

付録-1の⑳は、【一般的性状・損傷の特徴】を次のように定義しています。

伸縮装置,排水施設等から雨水などが本来の排水機構によらず漏出している状態や,桁内部,梁天端,支承部などに雨水が浸入し滞留している状態をいう。

2つの状態が並んでいます。本来の経路によらずに漏れている状態(漏水)と、入り込んで留まっている状態(滞水)です。前者は伸縮装置と排水施設、後者は桁内部・梁天端・支承部と、場所まで例示されています。

そして定義に続けて、除外の一文が置かれています。

激しい降雨などのときに排水能力を超えて各部で滞水を生じる場合がある。一時的な現象で,構造物に支障を生じないことが明らかな場合には,損傷として扱わない。

除外の条件は2つです。一時的な現象であることと、構造物に支障を生じないことが明らかであること。どちらも点検した瞬間の状態だけでは言い切れない性質のもので、「明らか」という語が入っている以上、判断できないときは損傷として扱う側に寄ります。

実務では、この一文が点検日の天候を記録に残す理由になります。雨の直後に入った現場で桁下に水が残っていたとき、それが一時的なものだったのかは、後から調書だけを読む人には判断できません。点検調書の所見に条件を書き添えておくかどうかで、次回点検での比較可能性が変わります。

出典:国土交通省 道路局「橋梁定期点検要領」(平成31年3月)付録-1 損傷評価基準 ⑳漏水・滞水。強調は編集部によるものです。

㉔土砂詰まりと「取り除くことが望ましい」

㉔の【一般的性状・損傷の特徴】は次のとおりです。

排水桝や排水管に土砂が詰まっていたり,支承周辺に土砂が堆積している状態,また,舗装路肩に土砂が堆積している状態をいう。

対象は3か所です。排水桝・排水管支承周辺舗装路肩。排水設備の中だけでなく、支承の足元と路肩まで含まれている点が読みどころで、㉔は「排水の詰まり」ではなく「土砂が本来ないところに溜まっている状態」を広く指しています。

㉔には、他の損傷種類にはあまり見られない【その他の留意点】という欄が置かれています。

支承部周辺に堆積している土砂は,支承部の損傷状況を把握するため,定期点検時に取り除くことが望ましい。

これは記録の指示ではなく作業の指示です。土砂を残したままでは、その下にある支承の腐食・変形・移動状態が見えません。つまり㉔の記録と⑯支承部の機能障害の評価は、同じ作業の前後に並びます。土砂を取り除かずに支承をaと評価した調書は、見た結果としてのaではなく、見ていないためのaになっている可能性があります。

ここは費用と工程に跳ね返る部分でもあります。土砂の除去には水や工具、桁下での姿勢確保が要り、量によっては近接目視に入る前の準備作業として時間を食います。仕様書に見込まれていなければ、現場では「次回」に送られやすい作業です。

評価はどちらもaとeの2区分

付録-2に移ります。⑳と㉔の【損傷程度の評価と記録】は、どちらも同じ形をしています。

区分⑳ 漏水・滞水(付録-2)㉔ 土砂詰まり(付録-2)
損傷なし損傷なし
伸縮装置,排水桝取付位置などからの漏水,支承付近の滞水,又は箱桁内部の滞水がある。排水桝,支承周辺等に土砂詰まりがある。

損傷程度の評価a〜eは5段階が基本ですが、この2つはb・c・dが「-」で使われません。「少し漏れている」「少し詰まっている」を表す欄がないということです。同じ構造を持つ損傷には㉕沈下・移動・傾斜などがあり、下部構造の沈下・移動・傾斜でも同じ扱いを確認できます。

そのぶん、程度の情報は(2)その他の記録の側に載ります。⑳は「漏水・滞水の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載するものとする。」に続けて、「当該損傷との関連が疑われる排水管の損傷などが確認できる場合には,それらも併せて記録する。」としています。㉔は「土砂詰まりの発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,その原因が推定できるものについては,その内容を損傷図に記載するものとする。」です。

⑳が関連する排水管の損傷を、㉔が推定できる原因を、それぞれ書けと指示している点は見落とせません。評価区分が2択しかない代わりに、因果の見立てを損傷図の側に書き残す設計になっています。損傷図(その5)の情報量が、この2つの損傷では評価区分より重くなります。

排水管の損傷は⑳では扱わない

⑳の【他の損傷との関係】には、実務でいちばん効く切り分けが書かれています。

排水管の損傷については,対象としない。排水装管に該当する損傷(「破断」,「変形・欠損」,「ゆるみ脱落」,「腐食」など)についてそれぞれの項目で扱う。

現場では「排水管が割れて水が漏れている」は1つの出来事です。しかし調書の上では、割れているという事実そこから漏れて部材が濡れている状態が別の損傷種類に分かれます。

現場で見えていること要領上の損傷種類
排水管が割れている・折れている④ 破断/㉓ 変形・欠損
排水管の吊り金具がゆるんでいる・外れている③ ゆるみ・脱落
排水桝・排水管が錆びて孔が空いている① 腐食
そこから漏れた水で桁端部・支承部が濡れている⑳ 漏水・滞水
排水桝・排水管に土砂が詰まっている㉔ 土砂詰まり

要領の部位部材の区分でも、排水施設は排水ます排水管に分けられ、それぞれ①腐食・④破断・⑤防食機能の劣化・⑲変色・劣化・⑳漏水・滞水・㉓変形・欠損・㉔土砂詰まりが標準的な損傷として挙げられています。橋梁の損傷26種類の全体像で見ると、排水施設は1つの部材に7種類の損傷が並ぶ密度の高い部位です。

この分解を知らずに調書を読むと、「排水管が壊れている」という情報が調書のどこにも見当たらないように感じられます。探すべき欄が④や㉓の側にあるということです。逆に作成側では、⑳だけを書いて④や㉓を書き落とすと、原因側の記録が消えます。⑳(2)その他の記録が「関連が疑われる排水管の損傷などが確認できる場合には,それらも併せて記録する」と念を押しているのは、この抜け落ちを想定してのことと読めます。

⑧漏水・遊離石灰との境目

コンクリート部材から水が出ているとき、⑧漏水・遊離石灰と⑳漏水・滞水のどちらで扱うかは、⑧の側に書かれています。

外部から供給されそのままコンクリート部材の表面を流れている水については,「漏水・滞水」として扱う。

基準は水がどこを通ってきたかです。コンクリート内部を通過してひびわれや打継目から滲み出したものが⑧、外から来て表面を伝っているだけのものが⑳。同じ場所を濡らしていても、経路が違えば別の損傷になります。⑧の側にはもう1つ、「排水不良などでコンクリート部材の表面を伝う水によって発生している析出物は,遊離石灰とは区別して「⑰その他」として扱う」という規定もあります。コンクリート部材の損傷を読むときは、この3分岐を頭に置いておく必要があります。

もう1か所、鋼部材がコンクリートに埋め込まれている箇所についての規定があります。要領は、床版等のコンクリートに埋め込まれた鋼製のトラス斜材等について「コンクリート埋込部は鋼部材であるため,「埋込部から滲出している錆汁・漏水」は,「⑧漏水・遊離石灰」ではなく,「⑳漏水・滞水」(錆汁は⑰その他)として扱う。」としています。見た目はコンクリートからの漏水でも、中身が鋼部材なら⑳という判断です。

この箇所について要領は、腐食の想定される状況として「コンクリート床版と斜材や垂直材の間に隙間がない場合には,土砂や水が溜まって腐食しやすいことに加え,変形を拘束するため,応力集中を起こして破断に至ることもある」「コンクリートに覆われていない外観目視できる部位の腐食や塗装の劣化の程度に比べて,コンクリート内部の方が腐食の進行が速く,著しい断面欠損や亀裂を生じている場合があるため,注意が必要である」とも述べています。外から見える範囲の程度で内部を推し量れないという警告です。

対策区分は「どこまで及んでいるか」で分かれる

付録-1は、対策区分ごとに判断の例を挙げています。⑳と㉔で挙げられている例文を並べます。

判定区分⑳ 漏水・滞水の例文㉔ 土砂詰まりの例文
M(維持工事で対応)伸縮継手の一部から漏水し,その規模が小さい状況においては,維持工事で対応することが妥当と判断できる場合がある。排水桝のみに土砂詰まりが発生しており,その規模が小さい状況においては,維持工事で対応することが妥当と判断できる場合がある。
B・C1・C2(補修等)(例文の記載なし)排水管の全長に渡って土砂詰まりが生じ,規模的に維持工事で対応できない場合などが考えられる。

どちらのMも「その規模が小さい状況においては」という条件で書かれています。㉔のB・C側は「排水管の全長に渡って」「規模的に維持工事で対応できない」。損傷の種類ではなく、及んでいる範囲が対策区分を分けているという構造です。

これは記録の側に直接返ってきます。評価区分がa・eの2択である以上、「排水桝1か所だけ」なのか「排水管の全長」なのかは、範囲の記録がなければ後から判断できません。付録-2が範囲・状況のスケッチと写真を求めているのは、対策区分の判定に必要な情報がそこにしかないからです。

なお、⑳と㉔にはE1・E2・S1・S2の見出しも置かれていますが、要領はこれらに具体的な例文を付けていません。枠は用意されているが標準的な例は示されていないという状態で、緊急対応や詳細調査に送るかどうかは、伴って生じている他の損傷(腐食・床版の損傷など)の側で判断されることが多くなります。

水と土砂が集まる場所は決まっている

要領は、鋼部材について着目すべき箇所を損傷ごとに例示しています。漏水・滞水の行はこうです。

「漏水・滞水」の欄に並ぶのは、「桁端部,マンホール継手部,排水装置近傍,アーチやトラスの格点部」です。

桁端部が先頭に来ています。そして腐食の想定される状況の説明でも、桁端部が最初に挙げられています。「桁端部は湿気がこもりやすい箇所であり,伸縮装置からの漏水も生じやすいことから,局部的に腐食が進行する場合があり,短期間でかなりの板厚減少に至った事例もある。

「短期間でかなりの板厚減少に至った事例もある」という書き方は、要領の中では強い表現です。⑳が単独で構造を壊すのではなく、①腐食の進行速度を上げる条件として効くことが示されています。鋼部材の損傷防食機能の劣化を、桁端部という場所を軸に読み直すと関係が見えます。

⑳の【所見を記載する上での参考】に挙げられた原因と影響の例も、この見方を裏づけます。

⑳ 代表的な損傷原因の例⑳ 懸念される構造物への影響の例
ひびわれの進行/防水層未施工/打設方法の不良/目地材の不良/橋面排水処理の不良/止水ゴムの損傷、シール材の損傷、脱落、排水管の土砂詰まり/腐食、土砂詰まり/凍結によるわれ/床版とますの境界部からの雨水の浸入鉄筋の腐食/合成桁では主桁の剛性低下/耐荷力の低下/凍結融解による損傷/遊離石灰の発生/主構造の腐食/床版の損傷

原因の例に「排水管の土砂詰まり」と「腐食、土砂詰まり」が入っている点に注目してください。㉔が⑳の原因側として名指しされています。そして㉔の側の影響の例には「主構造の腐食」「床版の損傷」に加えて「移動,回転機能の損失による拘束力の発生」が挙がっています。支承の足元に溜まった土砂が、支承が動くべき方向に動けなくするという影響です。

整理すると、要領が描いている連鎖は次のようになります。土砂が詰まる(㉔)→ 水が本来の経路を通らない(⑳)→ 桁端部・支承部が濡れ続ける → 腐食が進む(①)/支承が動けなくなる(⑯)。掃除の話に見える㉔が、上部構造の耐荷力の話とつながっているのは、この経路を通ってのことです。

塩害地域では連鎖の速度がさらに上がります。飛来塩分の量に応じた地域区分の考え方は塩害の地域区分で整理しています。

記録と点検計画への落とし方

ここまでを実務側に落とすと、4つになります。

1つめは範囲を必ず書くことです。⑳・㉔とも評価区分はaかeの2択で、そこには規模の情報が入りません。対策区分の例文が規模で分かれている以上、範囲の記録がない調書は対策区分の根拠を持たないことになります。排水桝1か所なのか、排水管の全長なのか。桁端部のみか、支間中央まで及んでいるのか。

2つめは原因側の損傷を同じ回で拾うことです。⑳は排水管の損傷を対象外にしているため、④破断や㉓変形・欠損の欄を埋めない限り原因が調書に残りません。⑳をeと書いたら、その水がどこから来たかを別の損傷種類で1つ探す——これを点検の手順として決めておくと、抜けが減ります。

3つめは支承周りの土砂を取り除く時間を仕様に見込むことです。㉔の留意点は「望ましい」という書き方ですが、取り除かなければ⑯の評価ができません。点検費用と工程を組む段階で、除去作業を点検の一部として置いておくかどうかで、成果物の中身が変わります。

4つめは写真を次回と比較できる形で撮ることです。漏水も土砂も、季節と直近の天候で見え方が変わる損傷です。同じ位置・同じ画角で撮っておかないと、5年後に「進行しているか」を判断できません。写真台帳に位置情報と撮影方向を残すことが、この2つの損傷ではとくに効きます。

点検方法についても要領は差を付けています。表-5.1.1では、⑳漏水・滞水の点検方法が「目視」、参考とする点検方法が「赤外線調査」とされているのに対し、㉔土砂詰まりは「目視」のみで参考欄は「-」です。⑳では赤外線調査が補助手段として位置づけられている、という違いです。

維持工事で対応すると判定した後の流れも、あらかじめ決めておく価値があります。M判定の清掃・補修を誰がいつやるのかが決まっていないと、次回点検で同じ場所が同じ評価で出てきます。包括的民間委託のように点検と維持を束ねる発注方式が検討される背景には、この繰り返しがあります。全体像は定期点検の全体像にまとめています。

出典:国土交通省 道路局「橋梁定期点検要領」(平成31年3月)本編 表-5.1.1、付録-1 損傷評価基準(⑧漏水・遊離石灰・⑳漏水・滞水・㉔土砂詰まり)および付録-2 損傷程度の評価要領(⑳漏水・滞水・㉔土砂詰まり)。強調は編集部によるものです。個別の橋における損傷程度の評価および対策区分の判定は、各道路管理者の定める要領・基準および点検技術者の確認によってください。

よくある質問

大雨のときに橋の上や桁下に水が溜まっていたら、損傷として記録しますか。

要領は例外を置いています。橋梁定期点検要領(平成31年3月)付録-1の⑳漏水・滞水は【一般的性状・損傷の特徴】で「激しい降雨などのときに排水能力を超えて各部で滞水を生じる場合がある。一時的な現象で,構造物に支障を生じないことが明らかな場合には,損傷として扱わない。」としています。除外の条件は2つで、一時的な現象であることと、構造物に支障を生じないことが明らかであることです。逆に言えば、明らかとまでは言えない場合には損傷として扱う側に寄ります。判断の根拠は後から検証できないため、点検時の天候と水の引き方を記録に残しておくことが実務上の備えになります。

排水管が割れて水が漏れています。⑳漏水・滞水として記録しますか。

排水管そのものの損傷は⑳では扱いません。付録-1の⑳は【他の損傷との関係】で「排水管の損傷については,対象としない。排水装管に該当する損傷(「破断」,「変形・欠損」,「ゆるみ脱落」,「腐食」など)についてそれぞれの項目で扱う。」としています。割れているという事実は④破断や㉓変形・欠損として記録し、そこから水が漏れて桁や支承が濡れている状態を⑳として記録する、という分け方です。現場では1つの現象に見えますが、点検調書の上では原因側と結果側が別の損傷種類に分かれます。

コンクリートから水が出ています。⑧漏水・遊離石灰と⑳漏水・滞水のどちらですか。

水がどこを通ってきたかで分かれます。付録-1の⑧漏水・遊離石灰は【他の損傷との関係】で「外部から供給されそのままコンクリート部材の表面を流れている水については,「漏水・滞水」として扱う。」としています。コンクリート内部を通過してひびわれや打継目から滲み出したものが⑧、外から来て表面を伝っているだけのものが⑳です。また要領は、鋼部材がコンクリートに埋め込まれている箇所について「埋込部から滲出している錆汁・漏水」は「⑧漏水・遊離石灰」ではなく「⑳漏水・滞水」(錆汁は⑰その他)として扱うとしています。

支承の周りに土砂が積もっていて、支承本体が見えません。どうしますか。

取り除くことが望ましいとされています。付録-1の㉔土砂詰まりは【その他の留意点】で「支承部周辺に堆積している土砂は,支承部の損傷状況を把握するため,定期点検時に取り除くことが望ましい。」としています。土砂を残したままでは⑯支承部の機能障害の評価ができないため、㉔の記録と支承部の点検は同じ作業の前後に並びます。土砂の除去には水や工具、場合によっては桁下への足場が要るので、点検の仕様書や工程で見込んでおかないと現場で先送りになりやすい作業です。

漏水・滞水と土砂詰まりの損傷程度は、どの区分で評価しますか。

どちらもaとeの2区分だけです。付録-2は⑳漏水・滞水について、aを「損傷なし」、eを「伸縮装置,排水桝取付位置などからの漏水,支承付近の滞水,又は箱桁内部の滞水がある。」と定め、b・c・dを「-」としています。㉔土砂詰まりも同様に、aが「損傷なし」、eが「排水桝,支承周辺等に土砂詰まりがある。」で、b・c・dは「-」です。程度を表す目盛りが用意されていないため、どのくらいの範囲でどれだけ溜まっているのかは評価区分ではなく損傷図とスケッチ・写真の側に残すことになります。

維持工事で対応するのか、補修が要るのかは何で分かれますか。

要領の例文では規模で分かれています。付録-1の㉔は判定区分M(維持工事で対応が必要な損傷)について「排水桝のみに土砂詰まりが発生しており,その規模が小さい状況においては,維持工事で対応することが妥当と判断できる場合がある。」とし、判定区分B、C1、C2(補修等が必要な損傷)については「排水管の全長に渡って土砂詰まりが生じ,規模的に維持工事で対応できない場合などが考えられる。」としています。⑳のMも同じ書き方で「伸縮継手の一部から漏水し,その規模が小さい状況においては,維持工事で対応することが妥当と判断できる場合がある。」です。どこまで及んでいるかが判断材料になるため、範囲の記録が対策区分に直結します。