橋梁の損傷26種類のうち、⑨抜け落ちと⑩補修・補強材の損傷は、調書での登場頻度が高くない項目です。ひびわれや腐食と違って、点検のたびに書くものではありません。

ただしこの2つは、他の損傷と性質が違います。⑨抜け落ちは、判定が最初からE1(緊急対応)に置かれている数少ない損傷です。そして⑩補修・補強材の損傷は「一度手を入れた箇所」だけを扱う項目で、要領はその中で「対策工と一体で落下する事例」を名指ししています。

この2つは無関係ではありません。剥落防止対策や間詰め部の落下対策をした箇所は⑩の対象で、そこで対策工ごと落ちれば、対策していなければ⑨になっていた事象です。この記事では、橋梁定期点検要領(平成31年3月)の付録の原文で、両者の定義・境界・評価・判定を整理します。

この記事の要点
  • ⑨抜け落ちの評価はaとeの2区分だけ。b・c・dは「-」で、程度の目盛りがない。規模は損傷図・スケッチ・写真にしか残らない
  • 境界は明確。抜け落ちる直前までは「床版ひびわれ」、剥離が進行して部材を貫通した時点で「抜け落ち」
  • 判定区分E1の説明が「基本的には……緊急対応が妥当と判断されることが多い」という書き方になっている。他の損傷の「〜場合がある」とは強さが違う
  • 無筋の可能性があるPC-T桁の間詰め部は、設計年・竣工年で絞れる。要領に年代が明記されている
  • ⑩は分類が5つあり、複数該当したら全部の分類で評価して記録する。1か所にまとめて1つ付ける様式ではない
  • 要領は剥落防止対策済み箇所での「対策工と一体での落下」を挙げ、目視だけでは兆候の把握が困難なときは触診や打音検査が必要としている

どこからが「抜け落ち」なのか

要領の付録は、⑨抜け落ちの一般的性状をこう書いています。

コンクリート床版(間詰めコンクリートを含む。)からコンクリート塊が抜け落ちることをいう。床版の場合には,亀甲状のひびわれを伴うことが多い。間詰めコンクリートや張り出し部のコンクリートでは,周囲に顕著なひびわれを伴うことなく鋼材間でコンクリート塊が抜け落ちることもある。

2文目と3文目で、場所によって前兆の出方が違うことが述べられています。床版なら亀甲状のひびわれという前兆があるが、間詰めコンクリートや張り出し部では顕著なひびわれを伴わずに落ちることがある。ひびわれを追いかけていれば見つかる、という発想が通用しない場所があるということです。

他の損傷との境界も明示されています。

  • 「床版の場合には,著しいひびわれが生じていてもコンクリート塊が抜け落ちる直前までは,『床版ひびわれ』として扱う。」
  • 「剥離が著しく進行し,部材を貫通した場合に,『抜け落ち』として扱う。」

整理すると、⑨は結果の記録です。まだ落ちていない状態は、どれだけ深刻でも⑪床版ひびわれ⑦剥離・鉄筋露出の側で記録されます。裏を返すと、⑨が調書に出た時点で、その部材は前段の損傷を通り越しているということでもあります。

状態扱う項目
著しいひびわれがあるが、まだ落ちていない(床版)⑪床版ひびわれ
剥離が進行しているが、部材を貫通していない⑦剥離・鉄筋露出
剥離が進行し、部材を貫通した⑨抜け落ち
コンクリート塊が実際に落ちた(床版・間詰め)⑨抜け落ち

なお⑪床版ひびわれの側にも、逆向きの記述があります。「著しいひびわれが生じ,コンクリート塊が抜け落ちた場合には,当該要素では『抜け落ち』として扱う。」両方の項目から同じ線が引かれているので、迷ったらどちらの解説を読んでも同じ結論になります。

出典:国土交通省 道路局 国道・防災課「橋梁定期点検要領」(平成31年3月)付録-1、付録-2。強調は編集部によるものです。適用にあたっては原典と各道路管理者の定める要領をご確認ください。

評価はaとeしかない

付録-2の損傷程度の評価区分は、⑨抜け落ちについてこうなっています。

区分一般的状況
損傷なし
コンクリート塊の抜け落ちがある。

b・c・dは3つとも「-」です。あるか、ないか。それしかありません。損傷程度の評価(a〜e)は多くの損傷で程度の段階を表しますが、⑨では段階が存在しません。

これは記録の設計として重要な意味を持ちます。抜け落ちの規模は評価区分では表現できないので、規模を伝える情報は評価欄の外に置くしかありません。要領も、その他の記録として次を求めています。

抜け落ちの発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,抜け落ちた部位の鉄筋の状態や周辺の状態について,損傷図に記載するものとする。

ここで求められているのは3つです。①発生位置と範囲・状況をスケッチや写真で ②抜け落ちた部位の鉄筋の状態を損傷図に ③周辺の状態を損傷図に。②が入っているのが特徴で、落ちた穴だけでなく、そこに露出した鉄筋がどうなっているかまで記録が求められています。作図の実務は損傷図(その5)の書き方、写真の整理は損傷写真台帳の作り方で扱っています。

同じ「評価区分に段階がない」構造は、⑳漏水・滞水と㉔土砂詰まりにもあります。要領全体を通じて、程度で測れない損傷は、評価をaとeに割り切ったうえで、情報を図と写真に逃がすという設計になっています。

判定がE1から始まる損傷

対策区分の説明の書き方を、他の損傷と比べてみます。多くの損傷では、E1の項目は「〜状況などにおいては,緊急対応が妥当と判断できる場合がある」という条件付きの書き方です。⑨抜け落ちのE1は違います。

コンクリート床版(間詰めコンクリートを含む。)からのコンクリート塊の抜け落ちであり,基本的には,構造安全性を著しく損なう状況と考えられ,緊急対応が妥当と判断されることが多い。

「基本的には」「判断されることが多い」。条件を並べて絞り込むのではなく、抜け落ちという事実そのものがE1の説明になっています。そのうえでE2が続きます。

万一上記に該当しない場合であっても,抜け落ちが生じており,路面陥没によって交通に障害が発生することが懸念される状況などにおいて,緊急対応が妥当と判断できる場合がある。

「万一上記に該当しない場合であっても」という前置きが付いています。E1に当たらないケースを例外として扱い、その例外にもE2の受け皿を用意する構造です。E1かE2か、という二択がまず立つ損傷だと読めます。

判定区分要領の書きぶり
E1「基本的には,構造安全性を著しく損なう状況と考えられ,緊急対応が妥当と判断されることが多い。」
E2「万一上記に該当しない場合であっても……緊急対応が妥当と判断できる場合がある。」
S1・S2間詰め部の無筋の可能性など、抜け落ちにつながるおそれがある状況で詳細調査
M/B・C1・C2見出しは置かれているが、Mには例文の記載がない。B・C1・C2は詳細調査の結果を受けた判断として参考が付されている

B・C1・C2の参考には「上記S1,S2参考に記載した損傷に対する詳細調査などによって抜け落ちの可能性があると判断した場合には,損傷の程度や発生位置が部材の機能に及ぼす影響,第三者に障害を及ぼす可能性などの観点から,B,C1又はC2の判断が分かれると考えられる。」とあります。ここでのB・Cは「落ちたもの」ではなく「落ちる可能性があると分かったもの」への判定です。詳細調査(S1・S2)を挟んだ先に置かれている区分だと理解すると、調書の流れが読みやすくなります。

所見の参考も1行だけです。損傷箇所「コンクリート床版」、代表的な損傷原因の例「ひびわれ,漏水,遊離石灰の進行」、懸念される構造物への影響の例「輪荷重の繰り返しによる損傷の拡大,床版機能の損失」。原因側が水とひびわれである点は、桁端部の劣化の連鎖と同じ構図です。

無筋の間詰め部は架設年で絞れる

S1・S2の参考には、点検計画に直接使える記述があります。

PC-T桁の間詰め部においてひびわれや漏水・遊離石灰が発生しており,無筋で抜け落ちにつながるおそれがある状況などにおいては,当該損傷の対策区分として詳細調査を実施することが妥当と判断できる場合がある。ちなみに,次のPC-T桁の間詰め部において,無筋の可能性があることが知られている。

桁形式無筋の可能性があるとされる範囲
プレテン桁設計が1971年以前、又は竣工年が1974年以前の橋梁
ポステン桁設計が1969年以前、又は竣工年が1972年以前の橋梁

これは要領の中でも珍しく、現地に行く前に机上で使える情報です。橋梁台帳に桁形式と架設年度があれば、管内のPC-T桁のうち注意すべき橋を事前に抽出できます。点検の仕様や工程を組む段階で、間詰め部の触診・打音を見込んでおくといった判断につながります。

注意点も2つあります。ひとつは、これが可能性の目安であって、無筋であることの確認ではないこと。要領も「無筋の可能性があることが知られている」という書き方にとどめています。もうひとつは、設計年と竣工年で年が違うこと。プレテンは設計1971年以前または竣工1974年以前、ポステンは設計1969年以前または竣工1972年以前です。台帳に竣工年しかない場合は、竣工年側の基準で拾えます。

また、詳細調査に進むための前提として「ひびわれや漏水・遊離石灰が発生しており」という状態の条件が付いています。年代だけでS判定になるわけではありません。年代は絞り込みの道具で、判定の根拠は現地で確認した状態です。

補修・補強材の5分類

⑩補修・補強材の損傷は、他の損傷と違って先に分類の表が置かれています。

対象部材分類補修・補強材料
コンクリート部材への補修・補強材1鋼板
2繊維
3コンクリート系
4塗装
鋼部材への補修・補強材5鋼板(あて板等)

一般的性状は次のとおりです。

鋼板,炭素繊維シート,ガラスクロスなどのコンクリート部材表面に設置された補修・補強材料や塗装などの被覆材料に,うき,変形,剥離などの損傷が生じた状態をいう。また,鋼部材に設置された鋼板(あて板等)による補修・補強材料に,腐食等の損傷が生じた状態をいう。

評価区分は分類ごとに別々に定められています。いずれもa・c・eの3段階で、bとdは「-」です。

分類
1 鋼板補修部の鋼板のうきは発生していないものの、シール部の一部剥離又は錆又は漏水のいずれかの損傷が見られる。補修部の鋼板のうきが発生している/シール部分がほとんど剥離し、一部にコンクリートアンカーのうきが見られ、錆及び漏水が著しい/コンクリートアンカーに腐食が見られる/一部のコンクリートアンカーに、うきが見られる。
2 繊維補強材に、一部のふくれ等の軽微な損傷がある。又は、補強されたコンクリート部材から漏水や遊離石灰が生じている。補強材に著しい損傷がある、又は断裂している。又は、補強されたコンクリート部材から漏水や遊離石灰が大量に生じている。
3 コンクリート系補強されたコンクリート部材から漏水や遊離石灰が生じている。又は、補強材に軽微な損傷がある。補強されたコンクリート部材から漏水や遊離石灰が大量に生じている。又は、補強材に著しい損傷がある。
4 塗装塗装の剥離が見られる。塗装がはがれ、補強されたコンクリート部材に錆汁が認められる又は漏水や遊離石灰が大量に生じている。
5 鋼板(あて板等)鋼板(あて板等)に軽微な損傷(防食機能の劣化、一部の腐食、一部ボルトのゆるみ等)が見られる。鋼板(あて板等)に著しい損傷(全体の腐食、多くのボルトのゆるみ、亀裂等)が見られる。

そして、表の下に注が1行付いています。

注)分類が複数該当する場合には,すべての分類でそれぞれ評価して記録する。

同じ橋で、床版下面に繊維シート(分類2)、主桁にあて板(分類5)、断面修復(分類3)が混在することは珍しくありません。その場合は3つとも評価して記録します。「補修・補強材の損傷=c」のように1つにまとめる書き方は、この注に反します。

分類2と分類3のc・eを読むと、もうひとつ特徴が見えます。補強材そのものが無傷でも、補強されたコンクリート部材から漏水や遊離石灰が出ていればc、大量ならeになります。他の損傷との関係の項が、その理由を説明しています。

補強材の損傷は,材料や構造によって様々な形態が考えられる。また,漏水や遊離石灰など補強されたコンクリート部材そのものの損傷に起因する損傷が現れている場合もあり,これらについても補強材の機能の低下と捉え,橋梁本体の損傷とは区別してすべて本項目『補修・補強材の損傷』として扱う。

補強材の裏で本体が劣化していることを、補強材の機能低下として読むという設計です。補強材で覆ってしまうと本体は直接見えないので、外に出てくる水と析出物を代理の指標にしている、と理解できます。

対策済みの箇所が対策工ごと落ちる

⑩の一般的性状の3文目が、この記事でいちばん重い記述です。

コンクリート片の剥落防止対策済み箇所やPC-T桁の間詰め部の落下対策済み箇所にて,コンクリート塊が対策工と一体で落下する事例が生じている。表面からの目視によるだけではそれらの兆候の把握が困難と判断されるときには,触診や打音検査を行う必要がある。

読み取れることが3つあります。

1つ目は、対策済みであることが安心の根拠にならないこと。剥落防止対策は、落ちたものを受け止める前提の工法です。ところが要領は、コンクリート塊が対策工と一体で落下した事例を挙げています。受け止める側ごと落ちれば、対策の効果は成立しません。

2つ目は、対策済み箇所は前兆が見えにくいこと。覆われているので、本体側のひびわれや剥離は表面から見えません。前節の間詰め部が「顕著なひびわれを伴うことなく」落ちる話と、構図が重なります。ひびわれの記録が積み上がっていないことが、安全の証拠にならない箇所だということです。

3つ目は、要領が具体的な手段まで指定していること。「触診や打音検査を行う必要がある」と書かれています。近接目視を基本とする定期点検の中で、目視だけでは足りない場合があると本文で名指しされている箇所は多くありません。赤外線法によるうき・剥離調査との使い分けも、この文脈で検討することになります。

実務上の含意は明快です。過去の補修・補強の履歴がある箇所は、点検の計画段階で触診・打音を見込んでおく。橋の履歴を持っているのは道路管理者側なので、発注時に補修履歴を仕様へ反映できるかどうかで、点検の中身が変わります。第三者被害の観点は第三者被害予防措置で扱っています。

E1・E2の書きぶりも、この2つの落ち方に対応しています。E1は「主桁及び床版の接着鋼板が腐食しており,補強効果が著しく低下し,構造安全性を著しく損なう危険性が高い状況などにおいては,緊急対応が妥当と判断できる場合がある。」=構造安全性の側。E2は「補強材が剥離しており,剥離落下によって第三者被害が懸念される状況などにおいては,緊急対応が妥当と判断できる場合がある。」=第三者被害の側です。S1・S2には「その他外観的には損傷がなくても,他の部材の状態や振動,音などによって,補強効果の喪失や低下が疑われることもあり,更なる調査が必要と判断される場合がある。」という一文もあり、外観が無傷でも調査に進む余地が残されています。

所見の参考は、損傷箇所「コンクリート補強材全般」、代表的な損傷原因の例として「床版のひびわれ進行による漏水」「防水層未施工」「架橋環境」、懸念される構造物への影響の例として「鋼板の板厚減少による床版機能の低下」「主構造の腐食へと進行」が挙げられています。原因の2番目が「防水層未施工」である点は、補修の効き目が橋面側の水の処理に左右されることを示しています。

どの項目で扱うかの線引き

⑩は他の損傷と紛らわしい場面が多いので、要領は境界を細かく定めています。まとめておきます。

状況扱い(要領の記述)
コンクリート部材の塗装⑤防食機能の劣化では「対象としない。『補修・補強材の損傷』として扱う。」
分類4(塗装)の損傷「分類4は,『防食機能の劣化』としては扱わない。」
分類5(あて板等)の損傷「この項目のみで扱い,例えば,『防食機能の劣化』や『腐食』では扱わない。」
あて板の損傷に伴い本体にも損傷が生じている場合「本体の当該損傷でも扱う。」
分類3(コンクリート系)にひびわれや剥離・鉄筋露出が生じた場合「それらの損傷としても扱う。」

整理すると、補修・補強材そのものの損傷は⑩に集約し、防食側の項目には出さない。ただし本体側に損傷が及んでいれば、本体の損傷としても書くという考え方です。防食機能の劣化鋼部材の腐食・亀裂・破断の判断に迷ったら、まず「その部材は補修・補強材か、本体か」を先に決めると整理できます。

その他の記録として、⑩には次が求められています。「補修・補強材の損傷の発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,代表的な損傷の主要寸法を損傷図に記載するものとする。」⑨が鉄筋と周辺の状態を求めていたのに対し、⑩は主要寸法です。補修・補強材は面で施工されるので、範囲の広がりが機能低下の程度に直結するためだと読めます。

最後に、この2項目が健全性の診断にどう効くかについてひとこと。⑨も⑩も、それ単独で診断区分が決まるわけではありません。ただし⑨はE1が既定に近く、⑩は構造安全性と第三者被害の両方にE区分の受け皿があります。いずれも「発見したら措置の議論に直結する」項目だという点で、他の損傷と扱いが違います。制度全体の位置づけは道路橋定期点検 完全ガイドにまとめています。

出典:国土交通省 道路局 国道・防災課「橋梁定期点検要領」(平成31年3月)付録-1「損傷程度の評価に用いる区分」および付録-2。⑨抜け落ち・⑩補修・補強材の損傷・⑪床版ひびわれ・⑤防食機能の劣化の各項から引用しています。強調は編集部によるものです。年代に関する記述は要領が「無筋の可能性があることが知られている」とするものであり、無筋であることの確認ではありません。

よくある質問

床版のひびわれと抜け落ちは、どこで分けるのですか。

要領は「床版の場合には,著しいひびわれが生じていてもコンクリート塊が抜け落ちる直前までは,『床版ひびわれ』として扱う。」としています。抜け落ちる直前までは⑪床版ひびわれで、実際にコンクリート塊が落ちて初めて⑨抜け落ちになります。剥離側からは「剥離が著しく進行し,部材を貫通した場合に,『抜け落ち』として扱う。」と定められています。

抜け落ちの損傷程度は、aからeのどれで評価するのですか。

aとeしかありません。付録の評価区分では、aが「損傷なし」、eが「コンクリート塊の抜け落ちがある。」で、b・c・dはいずれも「-」です。程度の目盛りがないので、規模や範囲は損傷図・スケッチ・写真の側にしか残りません。要領も「抜け落ちの発生位置やその範囲・状況をスケッチや写真で記録するとともに,抜け落ちた部位の鉄筋の状態や周辺の状態について,損傷図に記載するものとする。」としています。

抜け落ちがあれば必ず緊急対応になるのですか。

要領は判定区分E1について「コンクリート床版(間詰めコンクリートを含む。)からのコンクリート塊の抜け落ちであり,基本的には,構造安全性を著しく損なう状況と考えられ,緊急対応が妥当と判断されることが多い。」としています。「必ず」ではありませんが、E1が既定に近い書き方です。E1に当たらない場合でも、E2として「路面陥没によって交通に障害が発生することが懸念される状況など」で緊急対応が妥当と判断できる場合がある、とされています。

間詰め部が無筋かどうかは、現地に行く前に分かりますか。

目安は要領に書かれています。PC-T桁の間詰め部について「プレテン桁の設計が1971年以前,又は竣工年が1974年以前の橋梁」「ポステン桁の設計が1969年以前,又は竣工年が1972年以前の橋梁」で無筋の可能性があることが知られている、と記載されています。橋梁台帳の架設年度と桁形式が分かれば、現地に入る前に注意すべき橋を絞り込めます。ただしこれは可能性の目安であり、無筋であることの確認ではありません。

補修・補強材の損傷は、どのように分類するのですか。

5つです。コンクリート部材への補修・補強材が分類1の鋼板、分類2の繊維、分類3のコンクリート系、分類4の塗装。鋼部材への補修・補強材が分類5の鋼板(あて板等)です。評価区分は分類ごとに別々に定められており、要領は「分類が複数該当する場合には,すべての分類でそれぞれ評価して記録する。」としています。1か所にまとめて1つの評価を付ける様式ではありません。

剥落防止対策をした箇所は、点検で見なくてよいのですか。

むしろ注意すべき箇所として名指しされています。要領は「コンクリート片の剥落防止対策済み箇所やPC-T桁の間詰め部の落下対策済み箇所にて,コンクリート塊が対策工と一体で落下する事例が生じている。表面からの目視によるだけではそれらの兆候の把握が困難と判断されるときには,触診や打音検査を行う必要がある。」としています。目視だけでは足りない場合があることが、要領の本文に書かれています。